四百年の誓い
 「丸山幹事長が運び込まれた、病院の前からお伝えします」


 「!」


 美月姫がイチゴを口に含もうとした時、テレビ画面がテレビ局のスタジオから都内の有名な病院前へと切り替わった。


 最新情報は?


 レポーターがこわばった表情で、これまでの経緯を繰り返すだけで、新たな情報は告げられなかった。


 しばしそれの繰り返し。


 幹事長の怪我の具合も詳細が分からない。


 「そうだ」


 圭介は立ち上がり、居間の片隅にあるパソコン台に向かい、電源を入れた。


 「こっちのほうが、早いかもしれない」


 インターネット上のニュースサイトの情報はテレビと大差はなかったが、続いて圭介が検索したのは動画投稿サイト。


 丸山幹事長が暴漢に襲われたのは衆人環境下だったので、絶対に撮影している者がいると予想。


 そして動画投稿サイトにアップしているに違いない、と。


 予想的中。


 凶行現場を通行人が撮影したと思われる動画を、いくつか見つけ出した。
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