四百年の誓い
 「先生……」


 美月姫はテレビの前で、圭介にしがみついた。


 丸山幹事長の死を軽々しく願った自分を責めつつ。


 多くの人の恨みを買ってまで、宿願の改革を推し進めようとした丸山の意志の強さに、ある意味感銘を受けた。


 そして一番気がかりなのが、優雅の容態。


 白いコートを血で染めていた様子からしても、かなりの傷を負っているものと推測される。


 丸山幹事長のことも気がかりだが、愛する優雅のことを思えば美月姫は心が張り裂けそうだった。


 「落ち着きなさい。ゆっくり眠るんだ。俺がついているから」


 圭介は美月姫を優しく抱きながら、気持ちを落ち着かせようとした。


 夜11時からのニュース。


 「独占入手した映像」と銘打って、幹事長が襲われた瞬間の映像が流れた。


 たまたま近辺の防犯カメラに映っていたらしい。


 視聴者の感情を考慮して、どぎつい流血シーンなどはカットされていたが。
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