四百年の誓い
 「ま、俺のことよりも優雅の容態を知りたいんだろうけど」


 「えっ、そういうわけでは」


 「じゃ何も聞きたくないのか?」


 「……」


 「最初から素直に言えよ。優雅の容態を教えてくださいって。いくらでも教えてやるよ。一晩共にしてくれたら」


 「そ、それは困ります」


 「冗談だよ」


 予想外にすんなりと、京は優雅の現状を話してくれた。


 しかしまだ入院中、優雅の母以外は見舞いにいけない様子。


 京自身は無事だったが、入院中の幹事長はすでに回復しており、病室からあれこれ指示を飛ばすため京は忙しく動き回っているらしい。


 「あの人はやはりただ者じゃないな。一般人だったら死んでるか、助かったとしてもこんなに早くは起きられないよ」


 京は苦笑しながら、幹事長の回復の早さを伝える。


 「もうすぐ退院なさるんですか」


 「いや。もうちょっと入院していてもらう。まだ傷口は完全にくっついていないし。下手に退院されて残党に狙われたら危険だしな」


 やはり実行犯の単独犯行ではなく、黒幕がいるのだろうか。


 さすがに京はそこまでは話してくれなかった。
< 314 / 395 >

この作品をシェア

pagetop