四百年の誓い
「姫を幸せにしたい。だが私にもしものことがあった場合は……。先ほどの約束を決して忘れないでくれ」
「はい……」
冬悟は月姫の頬を両手で支え、そのまま唇を重ねた。
初めての口づけ。
互いの想いをも重ね合う。
「冬悟さま」
口づけの後、初夏の薫る風の中、二人は改めて強く抱き合った。
「いつまでも、二人で生きていこう」
「はい、きっと……」
温もりを確かめ合う二人は、万が一の事態について語り合っていたとはいえ、こんな日々が失われるはずはないと信じて疑わなかった。
だが。
冬悟は無事に出兵を追え、福山城に帰城。
月姫との婚約が成立する直前になって、当主の福山冬雅(ふくやま ふゆまさ)が月姫に横恋慕。
そして権力拡大を目論む側近の赤江(あかえ)に冬悟はそそのかされ、謀反を仕向けられ密告され捕らえられる。
やがて謀反人として処刑……。
月姫は一人、絶望の世に取り残された。
冬雅の側室となる以外に、生きる道はなかった。
「はい……」
冬悟は月姫の頬を両手で支え、そのまま唇を重ねた。
初めての口づけ。
互いの想いをも重ね合う。
「冬悟さま」
口づけの後、初夏の薫る風の中、二人は改めて強く抱き合った。
「いつまでも、二人で生きていこう」
「はい、きっと……」
温もりを確かめ合う二人は、万が一の事態について語り合っていたとはいえ、こんな日々が失われるはずはないと信じて疑わなかった。
だが。
冬悟は無事に出兵を追え、福山城に帰城。
月姫との婚約が成立する直前になって、当主の福山冬雅(ふくやま ふゆまさ)が月姫に横恋慕。
そして権力拡大を目論む側近の赤江(あかえ)に冬悟はそそのかされ、謀反を仕向けられ密告され捕らえられる。
やがて謀反人として処刑……。
月姫は一人、絶望の世に取り残された。
冬雅の側室となる以外に、生きる道はなかった。