四百年の誓い
「姫……」
冬悟はそっと姫を抱き寄せた。
起こしてしまわないように。
再び巡り会い結ばれるまで、四百年以上の時を要した。
指と指は真紅の糸で繋がれているはずなのに、その糸は想像以上に絡まっていた。
糸の伸びた先は闇に覆われ、行き着く場所を見失い、あきらめて結び目を解いて逃げ出したくなったことも。
だけど、捨て去ることはできなかった。
前世からの宿命。
忘却の中に一筋の光を見逃さずに今まで生きてきた。
そして冬悟は今度こそ姫を、腕の中に強く抱きしめた。
これが夢でないようにと、強く願いながら。
もう二度と、一人孤独な地の底で眠りに落ちることなどないようにと祈りながら。
冬悟と月光姫が出会ったのは、薄墨色の桜の花びらが舞い散る月の綺麗な夜。
四百年余りが経過したこの夜も、まるであの時を蘇らせるかのように薄墨色の神秘的な桜の花びらが風に揺らめいていた。
冬悟はそっと姫を抱き寄せた。
起こしてしまわないように。
再び巡り会い結ばれるまで、四百年以上の時を要した。
指と指は真紅の糸で繋がれているはずなのに、その糸は想像以上に絡まっていた。
糸の伸びた先は闇に覆われ、行き着く場所を見失い、あきらめて結び目を解いて逃げ出したくなったことも。
だけど、捨て去ることはできなかった。
前世からの宿命。
忘却の中に一筋の光を見逃さずに今まで生きてきた。
そして冬悟は今度こそ姫を、腕の中に強く抱きしめた。
これが夢でないようにと、強く願いながら。
もう二度と、一人孤独な地の底で眠りに落ちることなどないようにと祈りながら。
冬悟と月光姫が出会ったのは、薄墨色の桜の花びらが舞い散る月の綺麗な夜。
四百年余りが経過したこの夜も、まるであの時を蘇らせるかのように薄墨色の神秘的な桜の花びらが風に揺らめいていた。