四百年の誓い
銀色の未来
***
再び春が来た。
北海道函館市にある紅陽学園でも、連休前に桜が咲き始めていた。
ほぼ例年通り。
教諭・吉野圭介はこの春からまた担任を勤めることになり、慌しい毎日を送っていた。
「おや? 大型郵便だ」
この日も明るいうちには帰宅できなかった。
晩春は日没が遅く、八時くらいまで西の空はほんのりと明るいにもかかわらず。
自宅マンションにたどり着き、郵便ポストを覗いたところ、大型の封筒が差し込まれていた。
「久しぶりだな……」
差出人の名前を見て、圭介はそっと微笑んだ。
大村優雅、美月姫。
二人の連名だった。
再び春が来た。
北海道函館市にある紅陽学園でも、連休前に桜が咲き始めていた。
ほぼ例年通り。
教諭・吉野圭介はこの春からまた担任を勤めることになり、慌しい毎日を送っていた。
「おや? 大型郵便だ」
この日も明るいうちには帰宅できなかった。
晩春は日没が遅く、八時くらいまで西の空はほんのりと明るいにもかかわらず。
自宅マンションにたどり着き、郵便ポストを覗いたところ、大型の封筒が差し込まれていた。
「久しぶりだな……」
差出人の名前を見て、圭介はそっと微笑んだ。
大村優雅、美月姫。
二人の連名だった。