四百年の誓い

　「父が……。近いうちに美月姫に会いたいって話してた」


　「！」


　京のことを思い出していた時、優雅は突然丸山元幹事長の話を始めた。


　しかも幹事長を、「父」と呼んだ。


　優雅から「父」という言葉が発せられると、美月姫には未だに違和感がある。


　かつては丸山乱雪のことをかたくなに「幹事長」と呼び続け、決して父とは口にすることのなかった優雅。


　それが今では、躊躇なく「父「と表現することができるようになっていた。


　「お父さまは……お元気みたいね」


　「元気だったけど。引退後丸くなったというか、やっぱり年齢を感じるようになったね。悲しいけど」


　「やはり怪我の後遺症が？」


　「でも、今の政府に対する不満をかなり息巻いてたよ。自分がいないとだめだ、暴露本出してやる！　とか騒いでいたし」


　「あらら。それくらい元気なら大丈夫そうね」