四百年の誓い
淡いオレンジ
***
二週間後。
土曜日の朝、美月姫は札幌から函館へ向かう都市間バスに乗っていた。
昨夜、大学での授業を終えてからすぐに向かいたかったのだけど、大学でどうしても外せない飲み会があり。
出発は土曜日の朝になった。
淡いオレンジ色に輝く光が、窓から差し込んでくる。
出発してから約五時間ほどで、函館へ到着。
目的地は実家ではない。
昨日から母親の様子を見るために函館に帰省していた優雅と、密かに会う約束をしていた。
いつも優雅が札幌に来てくれてばっかりで悪いので、この日は地元函館で会うことにした。
そして……母校紅陽学園へと出向き、吉野先生に会いたいという優雅。
だから明日日曜日に、二人で会いに行こうと。
ほんの少し前まで圭介への想いを引きずっていた美月姫にとっては、一転して優雅と付き合い始めた今となっては、圭介に顔を合わせるのが少し恥ずかしかった。
しかし圭介に長きに渡る不義理を詫びたいという、優雅の熱意に押し切られてしまう。
「先生、部活の顧問もしてるし、日曜日はかえって忙しいんじゃない?」
「大丈夫。あらかじめメールして、予定は確認してあるから。テスト前だから部活はお休みなんだって」
二週間後。
土曜日の朝、美月姫は札幌から函館へ向かう都市間バスに乗っていた。
昨夜、大学での授業を終えてからすぐに向かいたかったのだけど、大学でどうしても外せない飲み会があり。
出発は土曜日の朝になった。
淡いオレンジ色に輝く光が、窓から差し込んでくる。
出発してから約五時間ほどで、函館へ到着。
目的地は実家ではない。
昨日から母親の様子を見るために函館に帰省していた優雅と、密かに会う約束をしていた。
いつも優雅が札幌に来てくれてばっかりで悪いので、この日は地元函館で会うことにした。
そして……母校紅陽学園へと出向き、吉野先生に会いたいという優雅。
だから明日日曜日に、二人で会いに行こうと。
ほんの少し前まで圭介への想いを引きずっていた美月姫にとっては、一転して優雅と付き合い始めた今となっては、圭介に顔を合わせるのが少し恥ずかしかった。
しかし圭介に長きに渡る不義理を詫びたいという、優雅の熱意に押し切られてしまう。
「先生、部活の顧問もしてるし、日曜日はかえって忙しいんじゃない?」
「大丈夫。あらかじめメールして、予定は確認してあるから。テスト前だから部活はお休みなんだって」