四百年の誓い
 「だったら日曜日、先生お休みだったんじゃないの。日曜日にわざわざ学校まで呼び出さなくても」


 「先日のトラブルの後始末で、いずれにしても学校には顔を出さなきゃならないって話してた」


 「トラブル?」


 「言ってなかったっけ? 紅陽学園のシステムが、ハッキングされたんだよ」


 「えっ、ハッカー?」


 到着後まず、昼ご飯のためラッキーピエロに入る。


 ようやく席に着き食事を済ませ、落ち着いてきたところで、優雅は圭介に会いに行く話を美月姫にしていた。


 「システムは破られなかったみたいだけど、メンテナンスやセキュリティのさらなる強化のため、学園内かなりドタバタしてるんだって」


 「だけどハッカーなんて、何が目的なの?」


 「うちの学園、財界人などの子供も結構在籍しているでしょ。そういう関係で、個人情報を狙っていたんじゃないかな」


 優雅ほど大物を親に持つ生徒は類を見ないと、美月姫は振り返った。


 「在校生の成績一覧や、卒業生の進路などが流出したらかなりまずいしね」


 とりあえずは犯罪は未遂に終わったようで、一安心。
< 75 / 395 >

この作品をシェア

pagetop