四百年の誓い
 「来月、母さんの様子を見るために再度帰省することが認められた。……その時会わない?」


 「え……。大丈夫なの?」


 「幹事長は、俺たちが会うこと自体は禁止していない。度を超さない限りは、今の関係を続けることも黙認するらしい」


 側にいられるだけでいいと願ったはずなのに、やはりそれだけでは寂しすぎた。


 「無理、じゃない?」


 「俺だって無理だよ。そんな話」


 優雅も答えた。


 「だから、この次に会った時に話そう。俺たちの将来のこと」


 「分かった……」


 美月姫は優雅の提案を受け入れた。


 相談しても、新たな結論など生じ得ないことは分かっていたのだけど。


 優雅に会いたかった。


 会って抱きしめてほしかった。


 「じゃ、また連絡するから」


 「待ってる……」


 程なく電話を切った。
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