四百年の誓い
 久しぶりに互いの温もりを確かめ合った。


 いろいろあった後なだけに、肌を重ねた時の充実感は、今までよりもさらに得がたいもの。


 美月姫は優雅のぬくもりに触れて、ようやく安堵感に満たされた。


 「美月姫にもう二度と会えないような気がして、気が狂いそうだった」


 優雅は優しく語りかけた。


 「……やっぱりお父様の意向には、逆らいにくい?」


 「いや。それよりも。俺のやっかいな事情に嫌気が差して、逃げ出しちゃうんじゃないかって心配だった」


 「私から逃げることは、あり得ないのに」


 美月姫は答えた。


 「俺と一緒にいることで、今でも迷惑をかけていると思うし、もしかしたらこれからさらに嫌な思いをさせるかもしれない。それでも離れずにいてくれる?」


 「優雅くんが私を必要としてくれている限りは、いつまでもそばにいたい」


 「美月姫……」


 美月姫の想いに感謝するかのように、優雅は唇を重ねてきた。
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