四百年の誓い
 「でも、本当はちょっぴり怖い」


 キスを終えた後、美月姫は本音を吐露した。


 「今は一緒にいられるだけでいい。でも今後、優雅くんと別れなければならない日が訪れたならば。私は平常心でいられるか分からない」


 優雅が丸山乱雪の指示により、美月姫と別れて政略結婚。


 その日を思い浮かべただけで美月姫はつらくて苦しくて切なくて、頭がおかしくなりそうだ。


 その苦しみから逃れたくて、以前のようにまた別の男性に甘えたくなるかもしれない。


 「美月姫を悲しませたくなどない」


 優雅は告げる。


 「でも俺が想いを貫くことによって、幹事長がどう出るか……怖い。美月姫に災いをもたらすんじゃないか、って」


 「幹事長に逆らえば、私なんてたちまち……」


 噂レベルではあれこれ耳にしているけど。


 「邪魔者は始末する」のが本当なら、自分も拉致されてどこかに埋められるのかな? と美月姫は心配になった。
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