二人の穏やかな日常

「あっそういえば~、うちの親なんか十五歳差だった~」


お父さんはお母さんの膝に頭を乗せて寝そべりながらケラケラ笑った。

そういえばおじいちゃんとおばあちゃんは十五歳差か。すっかり忘れてたけど。


「十五歳差って凄いよな~、でもそれでも普通に幸せに暮らしてるんだし、やっぱ関係ないよな~、愛だよな~まなみ~」
「そうね~」


ラブラブな二人を放置して、私と隆二が斎藤さん向かって
「斎藤さん!やりました!認めてもらえましたね!」
と。

斎藤さんは突然のお父さんの変わりぶりに戸惑いながらも笑った。


「これ酔いが覚めてまた反対するってことは……」
「ないです今までそんなこと。父は酔うとご機嫌になって、且つ本音をべらべら喋るんです。その本音をあとで覆したところは見たことないですもん」


するとようやく斎藤さんは、安心しきったように正座を崩して長く息を吐いた。

良かったあ……と漏らした声に、私も笑ってしまう。
< 100 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop