二人の穏やかな日常

「でもホーリーもその女の子たちに派手にキレられて色んな人に二股してた男って認識されて、学校中の女の子たちから白い目で見られてるからもう暫くは彼女できそうもないし、この際トミーと仲良くなれば良いと思うんですよね」
「駄目だそれ以上ホモを造っちゃいけない」
「ハハ」


俺が言うのもあれだけど、前原さんは罪な女だ……。


「ところで斎藤さん」
「え?」
「斎藤さんはいつ何がきっかけで私のことが好きになったんですか?」
「……」


こういうところなんだ。
突然こんなことを言って、ドキドキさせてくる。
こういうところが罪だと思う。


「だって私、斎藤さんに良いところ全然見せてないじゃないですか。鍵なくすし、いやなくしてなかったんだけど、ジャージだし、本当ただの隣人ってだけで」


前原さんは、俺が前原さんを好きだということが、いまいち実感湧かない。という風だった。

たしかに俺はそんなに好き好きって表すタイプではないにしろ、伝わってないのはおかしいと思う。



「閉め出しくらって初めて前原さんと会話したとき、すごくのんびり楽しく会話できて、さすがにそれで好きとなったわけではないけど、これからいっぱい話したいなって思いました」

何にしろ多分、あのときがいろいろな始まりだった。
あれが全てのきっかけに繋がってると思う。
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