二人の穏やかな日常

その後も頭が痛くなるような質問攻めに遭いながらも、スーパーに到着。

途端に質問攻めが終了し、智輝はジュース売り場へと一目散に走り出す。


「おーい、こけるなよー」
「修一俺これが良い」

そう言って真っ直ぐな瞳で俺を見上げる智輝が指差していたのは、そこらの中でも一番高い高級オレンジジュースだった。


「やっぱり果汁百パーセントだよな!」
「違い分かるのか?駄目だせめてパックで濃縮還元にしてくれ」
「嫌だ!俺はこれが良いんだこの瓶のやつが飲みたいんだ!パックなんて子供っぽいのは卒業したんだ!」
「どんな高級思考四歳児なんだ恐ろしい……」


引き下がりそうもない智輝に押され、こっそり財布の中を確認してから「今回だけだからな」と、その瓶のジュースを持ち上げた。


「さっすが修一!チョコも買って!」
「だめー」
「なんだよケチ……」
「帰ったらポテチあるからそれ食べな」
「いつもポテチだもう飽きたよ」
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