二人の穏やかな日常
「斎藤さんあんま喧嘩腰にならないでくださいよ、らしくないですよ」
「そうそうお前の一番の長所は平和主義者なとこだろ」
適当にトミーくんに注文を告げたあと、トミーくんが去ったところで、前原さんと兄ちゃんに注意された。
「まあ俺もあいつは気に食わないな」
「さすが智輝。お前分かってる」
四歳ながら事情を知らず敵を見分けられるとは、智輝も敵ではあるけど、敵ながらあっぱれ。
「お待たせしました」
暫くしてまたトミーくんが、俺たちが注文したものたちをトレーに乗せて持ってきた。
智輝のオレンジジュース、兄ちゃんのジンジャエール、前原さんのアイスココアが置かれて、最後に俺のアイスコーヒーが、どん、と勢いよく乱暴に置かれた。
吹き出してから必死に笑いをこらえてる兄ちゃんを一睨みして、トミーくんを見上げると、偉そうに俺を見下ろしている。
何だこいつ。