二人の穏やかな日常
「それよりお土産!持ってきますからちょっと待っててください」
「はい!待ちます!」
思わず頬が緩む。
フランスって言ったらやっぱりスイーツかな?
知らないけど。
まず私世界地図出されてもフランスの場所も分からないレベルだけど。
「家族みんなで分けてください」
と手渡されたのはやっぱりスイーツ。
クッキーだ。
「おお……!これがおフランスの……!」
「あとですね、実は」
「え?」
まだ何かあるのか!
と顔を上げたら、キラキラしたものの奥に斉藤さんの笑顔。
ぼんやりしていると、キラキラしたものが私の手のひらに置かれた。
「え……?」
手のひらに置かれたキラキラは、キーホルダーだった。
輪にエッフェル塔と、ピンク水色紫の三つのマカロンが連なったものがついている。
細かいつくりで、なんか小さな石もついてる。キラキラの原因はこの石か。
「ここここれ、お、おいくらですか」
「値段は言わないのが大人のたしなみです」
人差し指を突き立て、「盆栽のお礼で、前原さんにと思って選んできました」と優しい笑顔で言った。