二人の穏やかな日常

晩ごはんを済ませて、あのあと斉藤さんと交換したラインで、今早速連絡を取ろうとしている。

隣に会いに行く方が早いけど、さすがにこんな夜中はちょっと。
ああでも、逆に会いに行く方が緊張しないのに……!

ベッドの上で正座で聞くコール音は、嫌に長く思える。


『どうしました?』


優しいお医者さんのようなその言葉に、ふわっと緊張が解けた。


『ご両親に話せました?』


あのあと斉藤さんは、「僕からまた改めて前原家にお邪魔しますけど、いきなり言われても驚かせるでしょうから、前原さんから軽く言っておいてください」と言ってくれて。

改めて、斉藤さんは本気で私と付き合ってくれるんだ、と実感した。

そのあとに「それでも反対されると思いますけど。地道に頑張りましょう」と苦笑いで付け足していたけど。
< 84 / 180 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop