二人の穏やかな日常
晩ごはんを済ませて、あのあと斉藤さんと交換したラインで、今早速連絡を取ろうとしている。
隣に会いに行く方が早いけど、さすがにこんな夜中はちょっと。
ああでも、逆に会いに行く方が緊張しないのに……!
ベッドの上で正座で聞くコール音は、嫌に長く思える。
『どうしました?』
優しいお医者さんのようなその言葉に、ふわっと緊張が解けた。
『ご両親に話せました?』
あのあと斉藤さんは、「僕からまた改めて前原家にお邪魔しますけど、いきなり言われても驚かせるでしょうから、前原さんから軽く言っておいてください」と言ってくれて。
改めて、斉藤さんは本気で私と付き合ってくれるんだ、と実感した。
そのあとに「それでも反対されると思いますけど。地道に頑張りましょう」と苦笑いで付け足していたけど。