二人の穏やかな日常
「わーいまえほっぴーおめでとうおめでとう!遂にまえほっぴーに彼氏が!」
翌朝、ちっちはお祭り騒ぎのように踊り出して私の周りを走り回った。
ホーリーは、落ち込むトミーをひたすら励ます。
「トミー大丈夫だ。お前は変だけど良い奴だし、それに俺程ではないにしろ、イケメンだからな!まえほっぴー以上の女なんていっぱい……いや、世の中大半の女がまえほっぴー以上の女なんだから……」
「うん、うん……ありがとうホーリー……」
なんか励まし方いちいち腹立つんだけど。
「それに、俺が居るだろ!大丈夫、俺らは友達だ!」
「ホーリー……!」
「トミーーー!」
熱い抱擁を見せつけられて、昨日斉藤さんが言っていた〝男の友情〟という言葉が浮かぶ。
……斉藤さん、うちのお父さんとこういう関係を目指してるのかな?違うよね?
「しかも相手があのモデルさんでしょ~?ひゃー!そうだまえほっぴー!斉藤さんに頼んでモデルの友達とか紹介してもらってよ私に」
「……ちっち彼氏いるじゃん」
ちっちには確か一月くらい前から付き合っている二つ年上の彼氏がいたはず。
オープンキャンパスで出会った大学生と言っていた。
「それはそれ、これはこれ」
「またこの子は……」
「それにもうそろそろ破局の危機なんだー。なんか思ってたのと違った」
「それ毎回言ってる」
何はともあれ、トミーもホーリーのおかげでなんだかんだ大丈夫そうだし、ちっちもにこにこしてて、私は幸せいっぱいで。
平和だ。と思った。