Office Love
section 6-1
From Christmas Eve to Christmas Day~真子~

On Christmas Eve


終電までには残業は終わると彩葉から言われ、オフィスの近くのバーで時間を潰して待っとる。
家で待っててもええんやけど、ちょっとでも早よう会いたい思う気持ちが俺をそうさせる。


ポケットで振動する携帯。
開ければ、彩葉からの終業の知らせ。
【そこで待っとき】
一言そない返信して会社へと駆け出す。
会社のエントランスの中、彩葉がいつもよりちょっとお洒落な格好して俺を待ってた。


「お疲れさん。」
「お疲れさま。」
「ほな、行こか?」
「うん。」


まだ会社のエントランスや言うのに、腕を絡めてくる彩葉。
そんな彩葉が可愛いて、そっとその手を取り、ジャケットの中へ押し込んだ。


「飯、まだやろ?」
「うん、軽く済ませたんだけど・・・」


吉田と綾瀬と、サンドイッチやらホットサンドやらを食べたと言う彩葉。


「何で、食べんとおられへんねん。ちょっと旨い店でも行こう思てんのに。」
「今日は外より、私のウチに来て欲しい・・・・///折角、明日お休みなんだから・・・」


彩葉のその言葉に俺の中の俺自身がグッと熱を持ち、気持ちごと鷲掴みされた気がした。


「そない可愛ええ事言いなや。」


照れ隠しで言うた言葉も、彩葉には通用せーへんのはわかっとる。
コイツはいつも俺の一枚も二枚も上手。
付き合い始めた頃から勝てる気がせーへん。


大通りに出てタクシーを捕まえて、家へと急ぐ。
タクの中、彩葉は相当疲れとるんか、頭を俺の肩に預け、コトリと寝てしもた。


「彩葉、彩葉。起きや。」


彩葉のマンションに着いて、彩葉を起こす。
今日がクリスマスイヴやとは思えんくらいの普通な日。


「ん、ん・・・」


眠気眼を擦りながらタクシーから降り、彩葉のウチへと足を運ぶ。
カチャリと鍵を開け、中に入れば、ひんやりした空気が俺らを包む。
徐に振り返り、彩葉の腕を引けば、簡単に俺に胸に納まる。

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