桜の鐘が鳴ったとき
「まさか君に誘われるとは思わなかった」

「どうして今日は来てくれたんですか?」

「それは俺も君と同じ気持ちだから」

ジーパンに黒いジャケットを着こなした彼がそう問う。
少し大人らしく見えた。

やっぱりかっこいいな~。


「それって・・・」

「今すぐには無理だけど、少しずつ君のことを知っていきたいと思った
最近話しかけなくてごめんな
恥ずかしくてついそうなったと言うか、これも言い訳だろうけど。
俺は君の事がずっと好きでした」

「私もずっとあなたの事が好きだったよ」


彼も恥ずかしがり屋だったんだね。
新たな彼の一面が見れたよ。


「これからもよろしくな」

「はい!こちらこそ」


そして私たちは握手を交わした。


桜の木の下で、お互い告白をしたけど、桜の鐘はならなかった。
やっぱりただの瞑想に過ぎなかったのかな。

でも私は今とても幸せです。

だって大好きな彼と一緒に居れるから。


その後私たちは、桜が満開に咲き誇る桜の木の下で、お花見をしてお弁当を食べた。
彼はおにぎりのご飯粒を口には付けなかったが、おいしいと言って全部食べてくれました。


こんな小さな些細な事が幸せだと感じる。


毎日こんな日が続くといいな・・・。


柔らかな桜の花びらが数枚ひらりと舞い降りる。

一瞬鐘の音が聞こえたような気がした。

カーン、カーン。


祝福する鐘はそれは紛れもなく、私の頭の中で今も鳴り響いているだろう…。






桜の鐘が鳴ったとき~fin~
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