バスケばかに恋したバスケばか
–––––––––え。
壇上に上がった彼を見てたその瞬間、目が固まった。
「えー、まぁなんつーか、よろしく。お願いします。」
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
あの人、さっきぶつかった人じゃん!名前はたしか…りゅう…が?
あの人…頭、いいんだ。
私はすこし残念に感じるも、入学式を終え、クラス発表のホワイトボードを見に行った。
「やった!!ゆめ!!同じクラスだよ!」
「まじで!?良かったあ、私、みおと同じクラスじゃなかったら死んじゃってたよ〜。」
「ねえ、そういえば、ゆめの隣の席の人、来てなくない?初日から休みの人なんているの?」
「確かに…休みなのかな。だれだろー女の子だといいな♪」
「ちょっと〜、浮気?ひっどー。」
「あはは、いっぱいお友達作りたいな。」
なんておふざけ話をしてた、その時だった。
––––ガラガラッ。
無言で教室に入ってきて、無言で私の隣の席に座ったのは、あの、長谷川 龍我 だった。
どうしよう、なんかすごい気まずい。なにか声をかけたほ……「ねえ。」
「はっ…はいっっ!!!」
ビックリして、思わず変な声を上げてしまった。と同時に、大声をあげたせいか、クラス全員の視線が私に集まる。
うぅ、恥ずかしぃ…。
「お前、入学式の前にぶつかった奴だよな?名前は確か……「は…花宮…ゆ、ゆめ…です。」
「あぁ、そうだそうだ。あの変な奴な。」
なっ、変な奴って!
なんかこの人、すごいムカツくんですけど!
––––––この時、まだ私は、この長谷川龍我と、何かが起きることを、考えてもなかった。