バスケばかに恋したバスケばか
学校についた。

––––やっぱりな。

体育館前の広場には、誰もいなかった。
やってしまった とは思いつつも、体が異常に重だるいので、ゆっくりと体育館に向かおうとした。

「あ!ごめん龍我、俺、トイレ行きてえ。先行っててくれ!」

ちっ、なんだよめんどくせえな。

そんなことを思いながらも、俺は体育館のある方向へ歩いた。

すると–––––––バタン。。!

…いってぇなぁ誰だよ。


「きゃっっ!」

女の倒れる音と同時に、ぶつかった衝撃のかかった声が聞こえた。

…っ…こいつ…すげえかわいい。
あっ、そんなこと考えてる場合じゃねえや。

「おっと、ごめん。俺、龍我。お前は?」

女は、一瞬ぽかんと目を丸くしたが、すぐに答えた。

「あっ…えっと、花宮ゆめ…です…?」

「ぶはっ、なんで疑問系!?」
俺は思わず吹き出してしまった。
言葉に詰まっている女をみて、

「まぁ、なんつーか…。アレ、お前もしかしてここの生徒?」

制服みれば分かるだろ…と、自分で自分にツッコミを入れつつも、そう聞いた。

すると女は、「は、はあ…。もしかして、あなたも?」

「ああ、そうだよ。今日から1年。入学式そうそう遅刻しちまったみたいでさ、やべえよ。もう、始まってんだろ?」

俺も、急がなきゃな。

「で!では!私たちもう行かなきゃなので!さようなら!!!」

騒がしい女だな。えっと…花宮…ゆめ…か。

「あれぇ?龍我くぅん?今話してたかわいい女の子たち、だぁれ?」

はぁ、うるせえのが帰ってきやがった。

「うっせ、はやく行くぞ。」

「はいはぁい。」

俺たちも、体育館に向かった。
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