秘密色の初恋。
イチゴパフェを選んだはずなのに苺の味がしない。

食べても食べても減らないイチゴパフェのアイスはどんどんと溶け出していく。

目の前に座る夏織の背後に映るガラス窓には水滴がつき、ポツポツと雨も降り出していた。

朝、急いでたから傘もない…。

『菜子、どうしたの?さっきから何か元気ないよ?何かあった?』

心配してくれる夏織には申し訳ないけれど、隣のクラスの担任となった涼ちゃんに恋をしているなんて。

そんな相談できるはずもない。

だって自分で言っちゃってたんだものーー。

禁断の恋なんて漫画の中の話だけでしょ?ってね。
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