To smile
「私、湖に入ってみます…!」
男はゆっくりと目を開け、
体を起こして私の方を見た。
「…本気?
死ぬかもしれないけど…まぁ頑張って。」
男の言葉に不安になりながらも、
ゆっくりと湖に顔を近づける。
「ま、まずは顔だけちょっとつけて、
中を覗いてみよう…。」
恐る恐る湖の水に顔をつけ、
勇気を出して目を開けようとした瞬間、
……!
………何っ!?
私は何かの強い力に頭を引っ張られ、
湖の中に引き込まれそうになる…!
「おいっ…!!」
慌てる男の声と、手を握られたような
感覚を僅かに感じながら、
私の意識は遠くなっていった…。