To smile


「私、湖に入ってみます…!」


男はゆっくりと目を開け、

体を起こして私の方を見た。


「…本気?

死ぬかもしれないけど…まぁ頑張って。」


男の言葉に不安になりながらも、

ゆっくりと湖に顔を近づける。


「ま、まずは顔だけちょっとつけて、

中を覗いてみよう…。」


恐る恐る湖の水に顔をつけ、

勇気を出して目を開けようとした瞬間、


……!


………何っ!?


私は何かの強い力に頭を引っ張られ、

湖の中に引き込まれそうになる…!


「おいっ…!!」


慌てる男の声と、手を握られたような

感覚を僅かに感じながら、

私の意識は遠くなっていった…。

< 11 / 35 >

この作品をシェア

pagetop