To smile
帰る場所
…ピッ……ピッ……ピッ………
…あれ?
何の…音だろう…。
ふっと意識が戻り、
ゆっくりと目を開けると、
さっきまでは感じる事のなかった
太陽の光りを感じる…。
手…暖かい。
自分の手を見ると、
妹が私の手をしっかり握ったまま、
泣き腫らした目をして眠っていた。
あぁ、手を握ってくれたのは亜美か。
でも…
男の人の声が聞こえた気がしたんだけどな。
まだぼーっとする頭で、
辺りを見回してみる。
ここ…病院……?
私…戻ってこれた……!?
思わず涙があふれ、しゃくり声を漏らした。
物音に気づいた妹は、
ゆっくりと目を覚まし、
泣いている私を見て叫んだ。
「お姉ちゃん!!
よかっ…た、よかったよぉ…。」
抱きついて涙を流す妹を受け止め、
ふとその後ろにある病室の入り口に
目を向けた。
そこには、あの男が立っていた…。