To smile
「あの写真…、
一緒に写ってた女の子に会えば
何か思い出せるんじゃないかな…?」
そう言うと、ハルトさんの瞳が揺れた。
そして、ゆっくりと
服のポケットから写真を取り出す。
写真を見たまま暫く考え込むと、
ハルトさんは大きく息をはいた。
「めんどくさいけど…
正直、この女に会いたいと思ってる
自分がいるみたいだ…。」
「じゃあ…!」
笑顔になる私の言葉を遮り、
ハルトさんは続ける。
「でも、この女に会っても
記憶が戻らなかったら、
それ以上のお節介は無し!!
それでいいな…?」
私は少し答えに迷ったけど、
ここは素直に従っておくことにした。
「うん!それでいい。
絶対にその子を見つけるから!!」
私が笑顔で頷くと、
ハルトさんは呆れながらも、
優しい目をしてくれた気がした。