To smile


あれ?

この子、いつからここにいたんだろ…?

全然気がつかなかった。


っていうか、ハルのことは見えてないから、

私って1人で喋ってる怪しい人!?


私はとりあえず笑顔をつくり、

男の子に優しく話しかけた。


「どうしたのかな?1人で来たの?」


男の子は、私が話しかけると

とても嬉しそうに笑った。


「お姉ちゃん、ぼくとお喋りしてくれるの?

よかったー!みんな無視するんだもん。」


こんな小さい子を無視するなんて、

みんな冷たいなぁ。


そう思いながら、

しゃがんでさらに話しかける。


「もうすぐ暗くなるけど、1人で帰れる?」


そう聞くと、男の子は悲しそうな顔をした。


「お母さんと、ケンカしちゃたの。

ごめんなさいしたいけど、お母さんも

お話してくれなくて、ずっと泣いてるの。」



お母さんがずっと泣いてる?

何か事情があるのかな…?

私はハルの方を見てみるが、

同じく不思議そうに話を聞いていた。

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