To smile


「正直あんまり覚えてないけど、

なんか迷ってたっぽいんだよね。」


…信じられない。

生きるか死ぬかで迷うなんて。


死ぬなんて絶対に嫌!!


私は男から視線を外し、

果てしなく広がる白砂の大地を見渡した。



すると、少し離れたところに何かが

落ちていることに気づいた。


恐る恐る近づくと、

そこには鍵と、

くしゃくしゃになった紙があった。


「これ、うちの鍵だ!

そういえば…バッグの中の鍵を探してて、

見つけたと思った時に車が走って来たんだ。」


つまり、私がここに来る前に最後に

手に握ってたものってこと…?


こっちは何だろう?

広げてみると、それは写真だった。

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