To smile
「私は月島 笑咲っていいます。
父と母と妹が1人いて、
私のこと大好きだから絶対戻らないと…。」
話ながら大きな砂山を登りきると、
砂山に囲まれた、
どう見ても不自然な小さい湖が現れた。
砂山を一気にかけ降り、湖に近づく。
恐る恐る顔を覗きこむと、
まぶしい光りと共に、
ゆっくりと湖に何かが映り始めた。
映っている何かが鮮明になると、
私はその場に膝を着いて崩れた。
それは、病院のベッドに横たわる私と、
手を握り必死に祈る妹の姿だった…。
「私…ほんとに死ぬかもしれないんだ。」
現実を目の当たりにして、体が震える…。
でも…確かにまだ私は生きてる!
「亜美、お姉ちゃん絶対戻るからね!」
改めてそう強く思うが、
戻る方法はわからないままだった。