CHERRYBLOSSOM
ピタッと動きを止めゆっくり振り返った。
でも、うつむいたまま。
今まで美しく咲き誇っていた花が一瞬にして散ってしまったようだった。

「母さんは?」

妖は顔を上げ笑顔で

「あ〜うん。お母さんね!コーヒー飲みに行ったよ。あたしも誘われたんだけど断って戻ってきたの!」

また・・・無理に笑ってる。

「そっか。母さんと一緒に行って来れば良かったのに」

「秋が寂しがってると思ってさ」

っと言って妖は窓の外を見つめた。

ズキズキッとまた突き刺さる。
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