ゾッとするホラー短編集
私が喫茶店に入ると、

心臓がバクバクと鳴り、

呼吸がうまくできなかった。






私には周りの景色が歪んで見え、

身体中から汗が吹き出し、

膝はカタカタと震えていた。






〈 ひろぽんさんは、

きっと私に失望するわ。




だって私は、

麻美子ではないのだから…… 〉






私はそう思った後に、

自分で自分を励ました。






〈 でも、万が一、

ひろぽんさんが私を

受け入れてくれることだって、

考えられるじゃない。






私だってその気になれば、

麻美子と同じセリフを

言えるのだから…… 〉






私がそんなことを

考えているとき、

ひろぽんさんは

近くに立つ私の存在に気づき、

私の方に目を向けた。
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