ゾッとするホラー短編集
教室中が騒然となり、

授業は中断された。






クラスの大半が、

ベランダから校庭を見下ろし、

うつ伏せに倒れ、

動かなくなった

女子生徒を見つめていた。






〈 あの後姿は、まさか…… 〉






私はベランダから

うつ伏せに倒れ、

動かなくなった

女子生徒を見つめながら思った。






〈 小野田真理子…… 〉






私は、

小野田真理子の

ビクリとも動かなくなった

後姿を見つめているうちに、

『自殺』という言葉が

頭の中に浮かんできた。






〈 どうしよう……。




まさかアイツが、

自殺するなんて……。




遺書は……、遺書はあるのかしら?




あの子を自殺に追いやったのは、

私たち。




遺書があっては、まずい…… 〉






私は、息苦しさを感じながら、

この教室にいるはずの

薫と直美を探していた。






薫と直美は、私と同じように

青ざめた顔をして、

小野田真理子の

ピクリとも動かない後姿を

見つめていた。






〈 なんであの子、

自殺なんてしちゃうわけ。




ただの憂さ晴らし

だったのに……。




私にとってターゲットは、

小野田真理子でなくても

良かったのに…… 〉
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