ゾッとするホラー短編集
学校に救急車が呼ばれ、

小野田真理子は、

運ばれていった。






〈 あの子は、

助かるのかしら? 〉






私は、校庭から去っていく

救急車を見つめながら

そう思ったが、

小野田真理子が

命をとりとめても、

とりとめなくても、

私が針のむしろの上に

いるような状況に

変わりなかった。






〈 あの子、いっそのこと

死ねばいいんだわ。




私にとって大事なのは、

あの子の生死よりも、

遺書があるかないかよ。




あの子が書いた遺書に

私の名前でもあったなら、

どうしたらいいの?




そしたら、私は人殺し?




冗談じゃない。




あんな女のために、

私が苦しまなくては

ならないなんて…… 〉
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