王子様は隣のあいつ


もうイヤだ!


なんでもっと早く自分の気持ちに気づかなかったんだろう


陽平に彼女が出来てから分かるなんて…


また、涙が止めどなくでる


ドンッ


泣きながら下を向いて歩いていたまなは誰かにぶつかった


勢いよくぶつかったから尻もちをついてしまった


それでも涙が止まることはなかった


「ごめん、大丈夫?」

「……」


まなは答えることが出来なかった


するとその人はまなの顔を覗き込んだ


「立てる?って君泣いてるの?そんなに痛かった?」


泣き顔を見られた恥ずかしさで顔をあげられなかった


「だ…いじょうぶです」


次の瞬間、暖かい温もりに包まれた


「ここじゃなんだから屋上行こうか」


そういってまなをお姫様だっこして軽々階段を登る人の顔をみた


「あっ、俺相澤和人」


「まなは、椛嶋まな」


「よろしくね」って和人は笑った


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