王子様は隣のあいつ
屋上に着くと和人はまなを下ろしてくれた
幸いにも誰にも合わずに屋上までこれた
お姫様だっこを男の人にされているとこを誰かに見られたら恥ずかしい
和人はフェンスに寄りかかって座った
どうしたらいいか分からず立っていたら
「こっち来て座れば…」
「あっ、はい…」
和人から少し離れて座った
「転んで痛くて泣いてたんじゃないよね?」
「えっ?」
「何かあった?」
陽平以外の男の人と二人きりになることなど今までなく、緊張していた
しかもまなが泣いていた原因までわかってくれている
「話したくないなら話さなくていい。でも泣きたいときは我慢しないで泣けばいい。俺の胸で良ければいくらでも貸してやるから」
人目が気にならない屋上だったことと、和人の優しい言葉にまなは和人の胸の中で思わず声を上げて泣いた