王子様は隣のあいつ
思いっきり泣いたおかげでスッキリした
和人にお礼を言おうと顔を上げて固まった
和人のシャツがビショビショに濡れていた
「すみませんヽヽヽ」
「気にしなくて良いけど、ワケを話してくれないかな?」
まなははじめて会った和人に自分の気持ちを素直に話していた
「幼なじみを好きになってしまったんです。でも彼女がいて、その彼女にもう近づかないでて言われちゃったんです」
和人は黙ったまま、話を聞いてくれた
「まなちゃん、ごめんね。」
「へっ?何で謝るの?」
「まなちゃん、俺のこと覚えてる?中学一緒だったんだけど」
もう一度和人の顔をみた
「あぁぁぁぁぁっ!」
そう和人はまな達の中学一モテる先輩だった
しかも奈緒美先輩の元カレ
「奈緒美が自分の彼氏に女を近づけないのは俺のせいなんだ」
「先輩のせい?」
「うん…俺、奈緒美と付き合ってても、色んな人から告白されてたんだ」
和人の話をちゃんと聞いて上げたくなった。