王子様は隣のあいつ
陽平と先輩がデートしたと聞いただけで、涙が止まらなかった。
「まな」
ドアの向こうから陽平が呼んだ
「なに?」
まなは泣いているのがバレないように返事をしようとしたが、どうしても声が震えた
「泣いてるのか?」
「泣いてない!」
泣き顔なんか見られたくなかった
「入るぞ」
「ダメ!絶対にはいっちゃダメ!」
ドアノブを押さえて必死に抵抗したが男の力には勝てず、陽平が部屋に入って来た。
「ほら、泣いてるじゃん!」
「泣いてない!」
「なんで泣いてるの?」
「陽平には関係ない!」
本当は言いたいこと、聞きたいことはたくさんあった
でも弱虫のまなは何も言えなかった
すると陽平が怒った声で
「関係なくないだろ!!」
ビックリしたまなは涙が止まった
「お前が関係ないって言うときは、関係あるんだよ!!何年お前と一緒に居ると思ってんだ!!幼なじみなめんじゃねぇぞ!!」