王子様は隣のあいつ

陽平と先輩がデートしたと聞いただけで、涙が止まらなかった。


「まな」


ドアの向こうから陽平が呼んだ


「なに?」


まなは泣いているのがバレないように返事をしようとしたが、どうしても声が震えた


「泣いてるのか?」


「泣いてない!」


泣き顔なんか見られたくなかった


「入るぞ」


「ダメ!絶対にはいっちゃダメ!」


ドアノブを押さえて必死に抵抗したが男の力には勝てず、陽平が部屋に入って来た。


「ほら、泣いてるじゃん!」


「泣いてない!」


「なんで泣いてるの?」


「陽平には関係ない!」


本当は言いたいこと、聞きたいことはたくさんあった


でも弱虫のまなは何も言えなかった


すると陽平が怒った声で


「関係なくないだろ!!」


ビックリしたまなは涙が止まった


「お前が関係ないって言うときは、関係あるんだよ!!何年お前と一緒に居ると思ってんだ!!幼なじみなめんじゃねぇぞ!!」


< 22 / 37 >

この作品をシェア

pagetop