王子様は隣のあいつ
屋上に着くとフェンスを背に並んで座った
お弁当箱を出して食べはじめた
すると、それまで他愛ない話をして笑っていたみらいが
「話したいことがある」
と、空を見上げながら言った
その行動が誰かに話しかけて居るようにもみえた
「実はねみらいにも智って幼なじみがいたの」
いた?
''いる,,の間違いじゃないの?
みらいは話を続ける
「親同士が仲良くて小さい頃からよく遊んでた、中学に上がる頃、智を好きって思いはじめた」
みらいはいつも本音を隠す感じがあったが今日は何かが違っていた
「智の家に遊びに行ったんだけど些細なことでケンカした。でもそれが智と会った最後だった」
「最後?」
「うん…次の日、登校中に…道路に飛び出した子供を助けるために…智が…」
「みらい…もう…いいよ…」
みらいが悲しい顔をしていた理由が分かった