あの日、あの時、あの場所で。
ーin 空き部屋 蓮也sideー
俺は、無防備な杏奈に少し腹を立てていた。
だから、少し乱暴に空き部屋へと押し入れた。
杏奈は大きな目に涙を溜めながら俺を見つめる。
そして杏奈はしゃがみこんでしまった。
俺はゆっくりと近づき、目線を合わせるようにゆっくりとしゃがんだ。
「杏奈。」
そう優しく呼びかけてみると、杏奈は顔を上げた。
「れ…んや…ごめんね…」
「ありがとう、だろ?」
「ありがとう…」
「おう。杏奈?」
「なーに?」
「誰が好きなの?」
「え?」
「恭?それとも、粕谷?」
「違うよ」
「誰だよ!杏奈の心の中に勝手に入り込んだやつ!」
俺はその後強く言ったことを後悔した。
杏奈は大粒の涙を流しながら
「そんなの…そんなの!決まってるじゃない!」
俺は次の言葉に目を見開いた。
「そんなの…!蓮也しかいないじゃん…!」
「去年の文化祭の前日、蓮也が助けてくれなかったら今でも誰性と話せなかったと思ってるよ!今、普通に男の子と話せるのも蓮也のおかげなの!なのにもう…私のこと…好きじゃないんだ…」
何この可愛い生き物。
こんな可愛い生き物が存在してる時点でこの世界が許せないんだけど…
って、そうじゃなくて…
「は?」
「何でもない!忘れて!助けてくれてありがとう!」
そう言って杏奈はドアを開けて走ってどこかへ行ってしまった。
俺が伸ばしたこの手が…
杏奈に届くことはなかった
俺は、無防備な杏奈に少し腹を立てていた。
だから、少し乱暴に空き部屋へと押し入れた。
杏奈は大きな目に涙を溜めながら俺を見つめる。
そして杏奈はしゃがみこんでしまった。
俺はゆっくりと近づき、目線を合わせるようにゆっくりとしゃがんだ。
「杏奈。」
そう優しく呼びかけてみると、杏奈は顔を上げた。
「れ…んや…ごめんね…」
「ありがとう、だろ?」
「ありがとう…」
「おう。杏奈?」
「なーに?」
「誰が好きなの?」
「え?」
「恭?それとも、粕谷?」
「違うよ」
「誰だよ!杏奈の心の中に勝手に入り込んだやつ!」
俺はその後強く言ったことを後悔した。
杏奈は大粒の涙を流しながら
「そんなの…そんなの!決まってるじゃない!」
俺は次の言葉に目を見開いた。
「そんなの…!蓮也しかいないじゃん…!」
「去年の文化祭の前日、蓮也が助けてくれなかったら今でも誰性と話せなかったと思ってるよ!今、普通に男の子と話せるのも蓮也のおかげなの!なのにもう…私のこと…好きじゃないんだ…」
何この可愛い生き物。
こんな可愛い生き物が存在してる時点でこの世界が許せないんだけど…
って、そうじゃなくて…
「は?」
「何でもない!忘れて!助けてくれてありがとう!」
そう言って杏奈はドアを開けて走ってどこかへ行ってしまった。
俺が伸ばしたこの手が…
杏奈に届くことはなかった