あの日、あの時、あの場所で。
蓮也side

歩き始めて10分。

相変わらず文化祭は賑わっている。

「杏奈。」

「ん?」

「本気の話をしようか」

「本気の話?」

「そう。本気の話。だからさ、また空き部屋行こう?」

「うん…」

やっぱり杏奈は怖いみたいだ

「大丈夫だよ。何もしないから」

「うん…?」

「大丈夫。話すだけだから」

「うん…」

それでも表情が冴えない。

「杏奈?」

「うん?」

「着いたよ。すべて話そうか」

「うん…!」
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