あの日、あの時、あの場所で。
ーin 杏奈ー

「いらっしゃいませ♪」

「ね、君、西川杏奈ちゃん?」

「そうですけど…」

「ランキング1位の子でしょ?」

「なんのことでしょう?」

「後夜祭の、ミスミスコン出るんでしょ?」

「え、あ、はい…」

「予選、一位通過でしょ?」

「わかりません。お席へご案内いたします。」

「うん。」

10分後

「メニューはお決まりでしょうか?」

「んー、じゃあ、杏奈ちゃんで。」

「そんなメニューありませんよ?」

「うん。だから、杏奈ちゃんを彼女にしたいなっ♪」

「…意味がわかりません。
ご注文をどうぞ。」

「…ブラックで…」

「承知しました。少々お待ちください。
失礼致しました♪」

「杏奈ちゃん。」

そう言って、謎の男は杏奈の腕をつかんだ。

「お客様。やめて頂けますか?」

「やだー。だって、こうでもしないと逃げちゃうでしょ?」

「やっ!やめて!くださいっ!」

「ほら行くぞ。」

そう言って謎の男は腕をつかんだまま店の外まで引っ張った。

「いやっ!離してっっ!」

「先輩に向かってその口のきき方はないんじゃないか?」

「いやーーー!!」

そして、空き部屋になっている理科室の準備室に入ると、近くにあったソファに杏奈を押し倒した。

「いや!先輩っっ!離してくださいっ!」

「やだ。」

そう言うと、先輩は杏奈の太股を撫で始めた。

杏奈は怖くて声が出せなかった。

そしてシャツのボタンを4つ目まで外された時、





バンっっっっっっっ!!!







そんな音がして、ドアが空いた。



「ハァハァハァ…中崎先輩。泣いてる後輩女子をやるのが趣味なんですか?」

「違うっ!これは、西川が誘ってきたんだ!そしたら勝手に泣いて…」

「嘘だね。杏奈はそんなことしないよ。」

「バレーから逃げたお前に俺の何かわかる!藤崎は弱いんだ。バレーから逃げた」

「別に逃げたわけじゃないですよ。とりあえず、ここから消えてください。」

「言われなくても消えるよ!」

バタン!

そう音がすると蓮也は内鍵を閉めた。

「杏奈。」

「れ…んや…」

蓮也はしゃがむと杏奈の制服のボタンを止め始めた。

杏奈はその度にビクッとなって、涙を流した。

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