あの日、あの時、あの場所で。
ーin 美穂ー
「ねぇ、恭太。ちょっといいかな?」

「ん?あ、美穂?あ、ごめん。蓮。
行ってくるな。」

「おう!新田。頑張れよ!」

「何言ってんの笑」

「何でもねーよ。」

「そう?じゃあちょっとお借りしまーす。」

校舎裏まで来るとー

「あのね、恭太。伝えたいことがあるのっ」

「だめ。俺が先。」

「え?」

「俺、今日のミスミスコンの時のお題が、好きな人に告白するときに言う言葉だったんだけど。聞いてた?」

「片付けで聞けなかった…」

「なら、もう一回言うね。
俺は、蓮につられて4組に行って。
杏奈の隣で笑う君の笑顔に一瞬にして引き込まれたんだ。
それから、行動を共にするうちにあぁこれが恋なんだって思って…。
昨日のあの光景を見た時、気が気じゃなかったんだ…
なぁ…美穂。

美穂がもしここに連れ出してくれた目的が俺への告白じゃなかったとしても、俺は優しくて花が咲くように笑う美穂が大好きだっ!もし良かったら付き合ってください…っ」

「ばあだなぁ…もう。
私ね、昨日、助けてもらってすっごいドキドキしたの。
恐怖もあって、男性がまだ怖いなって思った時も今日の場面の中でまだあったけど思ってたよりは恐怖を感じなかった。
なんでだろーなーって考えたら、あ、恭太のおかげかな?ってそう考えたら恭太にドキドキしてる場面っていくつかあって。こんなにも好きなんだなって。

ねぇ、恭太…好きだよ…」

「うん。知ってる…っ」

「私の彼氏になってください…っ」

「あぁ。10年後も50年後も幸せな未来を作ろう。」

「うん!」

そうして恭太は美穂に優しいキスをしたのでした。
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