あの日、あの時、あの場所で。
「それがさー、聞こえなかった笑」

「おいおい…まじかよ…もう一回いう勇気なんて持ち合わせてねぇよ…」

「蓮也くぅーん、頑張ってぇー!」

「恭、キモイ。」

「え、傷つく…まぁいいか。美穂〜、ここは2人きりにしてあげよ〜」

「だね〜!杏奈!また来るね!」

「うん!待ってるよ!」

「ありがと!じゃあね〜!」

ガラガラガラガラ カタン

「俺さ…えっと…なんていうか…うーん…」

そういったきり「あー」だの「うー」だの唸ってしまった。

「クスクスクス」

「なんだよ笑」

「ごめんごめん笑ちょっといじめたくなった笑」

「え?」

「なんかさ、若頭ぽくないじゃん?私たちといると笑クスクスクス」

「まぁ、そうだな笑」

「そういうの、私たちに気使ってるのかなーって思って笑」

「?」

「聞こえなかったのはほんと!
あのね、俺さ…まで言ってくれたのにそっから聞こえなかったから…」

「私の聞き違いかな?って…」

「はぁ…なんでお前そんなに可愛いの?」

「か、かわっ!?」

「あはは笑顔真っ赤笑」

「もう!」

そう言うと杏奈は頬を膨らませた。

それと同じくらいこれから先の未来に胸が膨らんだのも事実だけど、みんなには秘密のこと!

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