あの日、あの時、あの場所で。
ー次の日ー

ピーンポーン ピーンポーン

「はい。西川邸本部室でございます。」

「杏奈さんの友達です。杏奈さんいらっしゃいますか?」

「少々お待ちくださいね。お名前伺ってもよろしいでしょうか?」

「藤崎蓮也と申します。」

「藤崎…?藤崎組の?」

「…はい…」

「作用でございますか!すぐに呼んで参ります!」

「…?お願いします。」

ー10分後ー
「お待たせ〜」

「「「「「いってらっしゃいませ!お嬢様!」」」」」」

「行ってきまーす!蓮也。おはよ!」

「おう。はよ。よく寝れたか?」

「うん!でも眠い…」

「だよなー…昨日も夜遅くまで頑張ってたもんな。」

「うん?…あぁ!!」

杏奈の声が静かな住宅街に響き渡る。

「うわっ。なんだよ…いきなり大声出すなよ…」

「思い出したよ!あの後輩くん!」

「あぁ。あいつな」

「確か…えっと…誰だっけ…」

「思い出したんじゃなかったのかよ…笑」

「えっと…ど忘れ?みたいな?笑」

「あいつは、2年4組の粕谷駿(カスヤシュン)
写真部でよく杏奈の写真撮ってみたいだけど知らなかったのか?」

「うん…」

そう言うと杏奈は震えてしゃがみこんでしまった。

「杏奈ー。大丈夫だよ。俺が守るから、ね?」

「ばか…」

だから好きになっちゃうんだよという言葉は飲み込んだ。

「知ってる。でも、守りたいって思ったよ」

「…ありがとう…」

「おう。行くか?」

「うん!」
< 95 / 114 >

この作品をシェア

pagetop