あの日、あの時、あの場所で。
朝10時に始まる告白の城。

教室の前には長蛇の男子の列。

「なに…これ…」

「あ、杏奈。おはよー」

「美穂…おはよー!」

「これね…姫を狙ってる人が80%占めてるって委員長が呆れ顔で言ってたよ?」

「で、10%が美穂な。」

「恭太…」

「俺…不安だよ…」

「蓮也?」

「どーした、プリンス」

「その名前で呼ぶなよ…」

「珍しく弱気だね?蓮也」

「俺も不安がないって言ったら嘘になるな」

「恭太…」

「でも、俺は美穂を信じてるから!笑
彼氏は俺だから…」

「当たり前でしょ!でも、しつこい人がいたら助けてね…?」

「おう!あたりめーだ」

「で、藤崎は?今言っときたいことないの?」

「俺は…杏奈。大好きだよ。
だけど、杏奈に好きな人がいるなら応援する!」

そう言ってニカッといつもの笑顔で言った。

「はぁ…藤崎ってやつは…どこまでも馬鹿なやつね…そろそろ決着つけなさいよ…」

「え?」

「こっちの話!杏奈はなんか言うことないの?」

「ありがとう…でも…いや、何でもない!笑頑張るね!なんかあったら助けてね!笑」

「当たり前じゃん!」

「ありがとう…!」

「おう!あ、始まるみたいだ」

「西川さーん!西川さーん!」

「委員長?どうかしましたか?」

「ご指名でーす笑」

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