光と闇
闇夜の月
「あの娘はまだ眠っているのか」
部屋に少しクセのある低い声で話しかける男。
「はい、カドネ様。ですが、もう少しでお目覚めになると思われますよ」
部下らしき男が答える。
「そうか、ご苦労。すこし休んでいいぞ」
カドネと呼ばれたその男は立ち上がった。
「カドネ様はどうされます?」
部下も立ち上がる。
「俺はあの娘を見てこよう」
「くれぐれも気をつけてください。暴走すればここが壊れます」
「それは俺が一番わかっているだろう」
口に微笑を浮かべながら、カドネが話す。