不器用な愛を刻む
そこまで読んで
善は3枚目へと視線を移した。
動揺と
様々な気持ちが込み上げてくる中で
手が、震える。
それを必死に抑えながら
善は手紙を 読み進めた。
『初めて善様と出会ったあの夜、
私は貴方に命を救われ
仇まで取っていただきました。
あの時のこと、本当に感謝しています。
そして
それだけでなく
善様は私の身まで引き取ってくださいました。
何不自由なく生活をさせてもらい、
本当に…何と言ったら良いのかわからないほど、親切にしてくださいました。
この前なんて
一緒に外へ出掛けてくださいましたね。
優しい言葉をかけてくださったり
食事をご馳走してくださったり
あんな高価な簪まで
贈っていただきました。
本当に
本当に嬉しかったです。』
───ありがとうございます。
そう書かれて
3枚目は終わっていた。
そして
ついに最後の1枚、
4枚目へと
読み進めていく。