不器用な愛を刻む
---それからすぐに
町中に大スクープとして号外が配られた。
指名手配をされていた
例の『お尋ね者』が
隣町で死体として発見されたとのことだった。
椿はその号外を手にしてすぐに
急いで店まで走った。
そして扉を開けて中に入り
息を切らせながら
いつものように腕を組みながら
窓辺に佇む彼に尋ねた。
「っ…善様…これ…!!」
「………あぁ、見たのか。」
そう言って少し口角を上げながら
椿に視線を向ける善。
「…親の仇と言っちゃあアレだが…
これは俺の仕事でもあるんだ椿。」
「…仕、事…?」
善の言葉に疑問を抱く椿に
彼は外に視線を移してから
静かに彼女に真実を伝えた。
「…俺の仕事は特殊でな。
"やっかいな依頼"を引き受ける代わりに
法に裁かれない契約をしてる。」
「…やっかいな依頼…?」