不器用な愛を刻む
『お前になら』
「………ん……。」
「……ぅ……ん……?」
───次の朝
外の光で目を覚ました椿が
小さく唸りながら
ゆっくりと目を開ける。
目の先には
まだ眠りの中にいる
善の顔がすぐ側にあって。
それを見て
椿は
昨日ついに彼と致したのだったという
事実を思い出し
思わず顔を赤く染める。
布団の中で
素肌が触れているのを感じて
恥ずかしいながらも
幸せに浸っていた。
(………善様、ぐっすり寝てるなぁ…。)
規則正しく寝息を漏らす善の寝姿に
椿は
いつもと違った可愛さを見出して
ふふっ、と小さく笑みをこぼす。
「…朝から人の寝顔盗み見かァ?」
「っ、え…!」
そんな時
突然目の前から声がして
驚いて前を見れば
いつの間にか善が目を覚まし
薄くニヤッと笑いながら
椿を見下ろしていた。
椿は恥ずかしくなって
慌てて手で顔を隠す。
「何で隠す。見せろ。」
「い、嫌です…恥ずかしい…!」
顔を赤くしながら
そう答える椿に
善は不覚にも
胸の奥がきゅうっとなるのを感じて
体に熱が再発する。
「…ったく、あんまり煽るような顔すんじゃねェよ。」
「……へ…。」
「責任取れよ。
…まだまだ椿が足んねェ。」
そう言って
善は体を起こして
椿に覆いかぶさると
椿は「っ、えぇ?!」と
驚き抵抗するも
そのまま
野獣に抱かれ───。